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贈与税もかからない?非課税で贈与する7つの方法を徹底解説!メリット・注意点も!

2022.09.02 相続税・贈与税 贈与税もかからない?非課税で贈与する7つの方法を徹底解説!メリット・注意点も!

この記事を監修したのは、

天満 亮

所属 税理士法人ブライト相続 資格 税理士、行政書士

会計事務所勤務(約8年)、相続専門の税理士法人勤務(約7年)、相続専門の税理士法人設立(2019年~)

「引き継ぐ予定の相続財産が多く、相続税の支払い負担が不安」
「非課税で生前贈与してもらう方法はある?」

被相続人となる人が所有する財産が多いと、相続税が発生する可能性があります。特に不動産などを現物で引き継ぐ場合には、自分の預貯金から相続税を支払う必要があるので、法定相続人の負担がかかることもあるでしょう。

基本的に相続が発生してから相続税の対策はできません。しかし、生前であれば相続財産を圧縮して相続税を減らす対策ができます。

この記事では、非課税で贈与する方法、生前贈与をするメリット・注意点、非課税で贈与するための申告方法について説明します。

贈与税とは?

贈与税とは、贈与を受けたときに受贈者(贈与を受けた人)が支払う税金です。贈与税には基礎控除があり、年間の贈与を合計して110万円以内なら支払う必要がありません。しかし、基礎控除額を超えて贈与されると贈与税が発生します。なお、基礎控除は受贈者一人に対して110万円です。例えば、父から80万円と母から80万円の贈与を受ける場合には基礎控除を超えるので、贈与税を支払います。

一般贈与財産の税率

贈与税の税率は、誰から誰へ贈与するかにより異なります。「一般贈与財産の税率」は、親から子(未成年者)への贈与、兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、その他親族以外への贈与などで適用されます。

基礎控除後の課税価格200万円以下300万円以下400万円以下600万円以下1,000万円以下1,500万円以下3,000万円以下3,000万円超
税率10%15%20%30%40%45%50%55%
控除額10万円25万円65万円125万円175万円250万円400万円

特例贈与財産の税率

祖父母から孫(成人)への贈与、親から子(成人)への贈与の場合は、特例贈与財産の税率を使います。特例贈与財産の税率は、一般贈与財産の税率より負担が小さくなる特徴があります。

基礎控除後の課税価格200万円以下400万円以下600万円以下1,000万円以下1,500万円以下3,000万円以下4,500万円以下4,500万円超
税率10%15%20%30%40%45%50%55%
控除額10万円30万円90万円190万円265万円415万円640万円

ちなみに、ここで言う「成人」とは、令和4年4月1日以後の贈与については「18歳」となります。

出典:国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)

贈与税には非課税になる特例がある

相続税にも基礎控除があり、【3,000万円+(法定相続人の人数×600万円)】を超える場合にのみ相続税が課税されます。相続財産を多く所有する人は、相続税の負担を軽減させるため、計画的に非課税の範囲で生前贈与をする人が多いです。

贈与税が非課税になるパターン

ここでは、贈与税が非課税になるパターンについて説明します。

➀暦年贈与

暦年贈与とは、1月1日~12月31日までの1年間の贈与額の合計が基礎控除の110万円を超えない場合に非課税で贈与を受けられる制度です。毎年110万円の基礎控除を繰り返し利用できるので、何年かに分けて非課税で贈与を受けることも可能です。なお、基礎控除額110万円を超える場合には贈与税が発生するので、税務署への申告が必要になります。

➁贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)

婚姻期間が20年以上の夫婦の場合、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われる際に、基礎控除110万円と合わせて最高2,000万円まで配偶者控除を受けられる特例があります。

特例を受けるための要件は下記のとおりです。

  • 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎたあとの贈与に限定
  • 居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭に限定(※生活費などは対象外)
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産または贈与を受けた金銭で取得した居住用不動産に、贈与を受けた配偶者が実際に住んでおり、引き続き住む予定である

なお、配偶者控除は同じ配偶者から何度も贈与があっても適用は一度のみです。また、この制度は事実婚の場合は適用されません。生前贈与加算(被相続人が死亡する前の、3年間の贈与が相続税の計算に加算されること)がされない制度です。

➂住宅取得資金等の贈与

直系尊属(父母や祖父母など)からの贈与で、受贈者が住むための家屋の新築、取得または増改築等のための住宅取得等資金を得た場合、一定の条件を満たせば非課税で贈与を受けられます。

非課税の限度額は、省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円までです。

特例を受けるための要件は、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上であること(成人年齢変更のため令和4年4月1日以降)や、贈与を受けた年の年分の所得税にかかる合計所得金額が2,000万円以下(新築等をする住宅用の家屋の床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の場合は、1,000万円以下)であることなどがあります。複数の要件をすべて満たす必要があるため、詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。

④教育資金の一括贈与

30歳未満の受贈者が、教育資金に充てるための資金を信託銀行など金融機関との契約に基づき、受贈者の直系尊属(父母や祖父母など)から信託受益権を取得した場合、1,500万円までは非課税で贈与を受けられます。この制度は、暦年贈与と併用可能です。

教育資金として利用できる費用としては、入学金・授業料・入園料・保育料などのほかにもスポーツや芸術など習い事にかかる費用も対象です。ただし、習い事にかかる費用の非課税上限は500万円なので注意しましょう。

また、贈与を受ける年の前年における受贈者の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、この制度を利用できません。

⑤結婚・子育て資金の一括贈与

18歳以上50歳未満の贈与者が、直系尊属から結婚・子育てに充てる資金を一括で受け取る場合も、信託銀行など金融機関との契約に基づき、1,000万円(結婚資金としては300万円が限度)まで非課税で贈与を受けられます。なお、この制度も暦年贈与と併用が可能です。ただし、贈与があった日の前年合計所得金額が1,000万円以下であることが条件です。

結婚費用としては、挙式費用・転居費用・家賃などに利用できます。子育て費用としては、妊婦検診・不妊治療・出産費用などに利用可能です。

結婚・子育てに関する支払いが発生したごとにレシートや領収書などを金融機関に提出して資金を受け取る手続きをします。

⑥障害者への贈与

特別障害者(重度知的障害や複雑な介護が必要など重度の障害)へ贈与は6,000万円まで、特別障害者以外の特定障害者の方については3,000万円まで非課税で贈与できます。贈与財産の使い道は、生活費および医療費に限られます。

⑦相続税精算課税制度

贈与をする年の1月1日において60歳以上である贈与者が、18歳以上の子または孫に対し、財産を生前贈与した場合に2,500万円まで非課税で贈与できる制度です。ただし、相続発生時に相続税を支払う必要があるので、税金の支払いを先払いにすることはできますが、節税できるとは必ずしも言い切れない制度であることに注意しましょう。

例えば、不動産など将来的に値上がりしそうな財産を保有している場合、贈与時の価格で相続税が計算されるのが大きなメリットです。相続税精算課税制度を利用して贈与したときの住宅価格が2,500万円で相続発生時に5,000万円になっていても、贈与時の2,500万円で相続税を計算します。

一方、相続時の価格で相続税が計算されるので、価値が下がった場合には通常より多くの税金を支払う可能性があるのはデメリットです。また、相続税精算課税制度を利用すると、それ以降、暦年贈与を利用できなくなるので注意しましょう。

そもそも贈与税がかからない贈与

両親や祖父母が、子供や孫のために日常生活で支払う生活費や教育費は贈与にはならないので、贈与税の心配をする必要はありません。

例えば、私立の小学校へ通わせたり、海外留学に行かせたり、習い事のために高額な楽器を購入したりすると多くの費用がかかることになりますが、それは贈与とはみなされません。

ただし、将来にかかる学費や生活費を前もって贈与する場合には、贈与税がかかります。将来にかかる教育費や生活費を贈与してもらう場合は、先述した「教育資金の一括贈与」「結婚・子育て資金の一括贈与」を利用すると、非課税の贈与が可能になります。

生前贈与をするメリット

ここでは、生前贈与をするメリットについて説明します。

相続財産を圧縮できる

相続財産を圧縮することにより、相続税を圧縮することができます。そのため、相続税をなるべく減らしたい場合には、生前贈与が効果的です。

例えば、孫が4人いると仮定して、暦年贈与を100万円ずつ10年間行えば、4,000万円分の財産を非課税で贈与できます。

暦年贈与を利用する際は、早く始めるほど効果があるので計画的に始めるといいでしょう。

贈与者の意思で資産を引き継げる

相続が発生したら、相続したくない法定相続人がいたとしても相続しなくてはいけません。遺言書を書いていたとしても、遺留分は侵害できないからです。しかし、生前贈与の場合は、贈与者の意思で財産を引き継ぐ人を決められます。

例えば、介護でお世話になった親族に多めに相続したい場合などは、非課税枠を利用しながら生前贈与すると、贈与者の希望に叶った相続ができます。

生前贈与をする際の注意点

生前贈与をする際の注意点についても説明します。

法定相続人間で不公平が生まれる可能性が

法定相続人の中で生前贈与が多い人がいると、相続発生後に不公平感から親族間に亀裂が生まれる可能性があります。特に、被相続人が遺言書を残さずに死去すると、法定相続人間で遺産分割協議をすることになりますが、そこで言い争いになることが想像できます。

特定の人に生前贈与をする場合には、贈与者からなぜそのような贈与を行うかを他の法定相続人へ説明してもらうと良いでしょう。

また、自分が亡きあとに親族間で亀裂が発生してほしくないのであれば、生前贈与をしていない法定相続人には相続時の相続割合を多くするなど、他の法定相続人が納得する遺言書を作成して調整するのもいいかもしれません。

死亡前3年間の贈与は相続税の計算に加算される

暦年贈与を利用すると、年間110万円まで非課税で贈与できますが、被相続人の死亡前3年間の相続に関しては、相続税の計算に加算されます。非課税で贈与を受けたはずが、被相続人の死亡時期によっては、それが適用されないこともあります。このような事情もあるので、生前贈与をする場合は、なるべく早い段階から計画的に始めるのがおすすめです。

非課税で贈与するための申告方法  

非課税で贈与するために必要な手続きは、下記のとおりです。

  • 暦年贈与
    非課税の範囲内の贈与であれば申告不要。

  • 贈与税の配偶者控除
    税務署へ贈与税申告の手続き。

  • 住宅取得資金等の贈与。
    税務署へ贈与税申告の手続き。

  • 教育資金の一括贈与
    金融機関で信託契約を結び口座開設を行い、税務署へ届ける。

  • 結婚・子育て資金の一括贈与
    金融機関で信託契約を結び口座開設を行い、税務署へ届ける。
  • 障害者への贈与
    金融機関で信託契約を結ぶ。
    障害者非課税信託申告書を税務署へ提出。

  • 相続時精算課税制度
    税務署へ相続時精算課税選択届出書を提出。

このように、暦年贈与以外は非課税の範囲内での贈与であっても手続きがありますので注意しましょう。

まとめ

相続財産が多く、相続税がかかる予定ならば、生前に対策するのが効果的です。生前贈与を非課税で行うことができる特例を使えば、非課税で贈与をしながら相続財産を圧縮できます。

例えば、暦年贈与は基礎控除の範囲ならば、非課税での贈与が繰り返し可能です。贈与を始めるのが早ければ早いほど相続財産を圧縮できます。

ただし、生前贈与は法定相続人間のトラブルに発展する可能性があります。特定の人だけが多く生前贈与を受けると、他の法定相続人が納得できないこともあるでしょう。生前贈与を受ける場合には、なぜ生前贈与をしたのかを被相続人となる人から他の法定相続人に説明してもらうのがおすすめです。税金の対策だけではなく、法定相続人同士で揉めないように対策してもらうのも大切です。

この記事を監修したのは、

天満 亮

所属 税理士法人ブライト相続 資格 税理士、行政書士

会計事務所勤務(約8年)、相続専門の税理士法人勤務(約7年)、相続専門の税理士法人設立(2019年~)

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