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成年後見制度の仕組みやメリット・デメリットをご紹介!家族信託との違いは?

2022.09.02 家族信託・後見制度 成年後見制度の仕組みやメリット・デメリットを紹介!家族信託との違いは?

この記事を監修したのは、

代表 寺島 能史

所属 司法書士法人みどり法務事務所 東京司法書士会 会員番号 第6475号 認定番号 第901173号 資格 司法書士

自分の親が認知症になったら、財産の管理や相続がどうなるのか不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。その不安を解消する方法として、成年後見制度の利用があります。

この記事では、成年後見制度についてや成年後見制度を利用するメリット・デメリット、家族信託との違いについてご説明します。

成年後見制度とは?

成年後見制度とは、どんな制度なのかについてご説明します。

成年後見制度の概要

成年後見制度は、認知症・知的障害・精神障害などの影響で、十分な判断能力がない人の財産管理や身上保護を「後見人」と呼ばれる人が行う制度です。後見人は、家庭裁判所で選任されます。

成年後見制度が作られた背景

成年後見制度は、2000年の民法改正により始まった制度です。それまでは禁治産制度と準禁治産制度がありましたが、これらの制度より本人の能力や考えに合わせたサポートができるようになりました。

成年後見制度の種類

成年後見制度は大きく分けて2種類です。ここでは、法定後見制度と任意後見制度についてご説明します。

法定後見制度

法定後見制度は、本人の判断能力が不十分になったときに本人や親族が家庭裁判所に申し立てて後見人を選定する制度です。本人の判断能力に合わせて、後見・保佐・補助の制度が用意されています。


例えば、認知症の方が施設に入居するなどして本人の自宅が空き家になる場合、後見人が家庭裁判所に申し立てることにより、家の売却が可能になります。なお、申し立てをするときに後見人の候補は出せますが、実際の後見人を選定するのは家庭裁判所です。


例えば、財産が多い場合は親族による使い込みが心配されるので、親族ではなく弁護士や司法書士が後見人に選定されるケースが多いです。

任意後見制度

任意後見制度は、認知能力が十分にあるうちに自分の財産管理や身の回りのケアをしてもらうために後見人を選んでおく制度です。法定後見制度は家庭裁判所が後見人を選任するのに対し、任意後見制度は本人が後見人を選べるのが大きな特徴といえます。本人が認知症を発症したのちに家庭裁判所に申し立てることで効力が発生します。


ただし、すでに認知症を発症している人はこの制度は使えません。

成年後見制度を利用するメリット

ここでは、成年後見制度を利用するメリットについてご説明します。

信頼できる後見人を選べる

任意後見制度を利用する場合、信頼できる後見人を自分で選べるのがメリットです。ただし、法定後見制度では家庭裁判所が後見人を選びます。

本人が不利な条件で契約しても取り消せる

後見制度を利用すると、内容を理解せずに契約を結んでしまったり、悪徳商法にだまされてしまった場合でも、後見人が契約を取り消すことができます。

身近な人等による財産の使い込みを防止できる

法定後見制度は、後見人に親族が選ばれるケースは少なく、弁護士や司法書士が後見人になるケースが多いです。そのため、身近な親族による財産の使い込みを防止できる効果があります。

介護などのサービスや施設への入所に関する契約等の代理契約が可能

後見制度では身上保護が求められています。本人が介護施設や病院へ入所する際は、後見人による代理契約が可能です。

成年後見制度を利用するデメリット

成年後見制度を利用するデメリットについてご紹介します。

費用がかかる

成年後見制度を利用する際には、申請の費用がかかります。さらに、弁護士や司法書士が後見人となる場合、月額数万円の報酬を支払う必要もあるのです。数年にわたる場合、負担が大きくなり相続財産が減ってしまう可能性があります。

一度利用したら途中でやめられない

成年後見制度は、一度利用したら途中でやめることはできません。

積極的な資産運用ができなくなる

成年後見制度は、財産の維持・管理を任されますが積極的な資産運用は不可です。財産を増やすための投資をすることはできません。

節税対策ができなくなる

成年後見制度は、相続税の節税対策もできません。


例えば、相続税を計算する際の財産の評価額を落とすために不動産を建てて対策することが多いです。しかし、成年後見制度を利用する場合には、このような運用はできません。

成年後見制度と家族信託との違いは?

成年後見制度とよく比較される制度として、家族信託があります。


家族信託は、委託者(財産の保有者)が信頼できる家族の受託者へ財産の管理や運用をしてもらう契約を結ぶ制度です。この点は任意後見制度と似ています。


家族信託は、成年後見制度とは異なり利益を求めた資産運用などフレキシブルな対応ができるのが特徴です。ただし、家族信託は認知症になってからは契約ができません。また、あくまで財産の管理に関する契約なので受託者に対して身上保護は求められない点が成年後見制度との大きな違いです。

成年後見制度を利用する方法

成年後見制度を利用する方法についてご説明します。

後見人になれる人の条件

後見人には、以下の欠格事由に当てはまらなければ誰でもなることができます。


  • 未成年者
  • 家庭裁判所で免じられた法定後見人等
  • 破産者
  • 被後見人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族
  • 行方の知れない者

親族が後見人になることもできますが、実際には親族による財産の使い込みを懸念して弁護士や司法書士が後見人になるケースが多いです。

後見人に支払う費用

後見人として弁護士や司法書士が選ばれる場合、管理する財産に合わせて月額の支払いが必要です。なお、後見人として報酬を受け取った場合には、年間20万円を超える場合には雑収入として確定申告が必要です。

成年後見制度の手続き方法

成年後見制度を利用する際には、本人または親族が家庭裁判所に申し立てを行います。その後、調査が行われて審判が下ります。成年後見人として選定された人は、原則として1か月以内に、財産目録及び収支予定表を作成し、家庭裁判所に提出が必要です。

必要書類

家庭裁判所に成年後見制度の申し立てを行う際は、下記の書類を用意しましょう。


  • 申立書
  • 申立事情説明書
  • 親族関係図
  • 本人の財産目録及びその資料
  • 後見人等候補者事情説明書   
  • 親族の同意書  
  • 本人及び後見人等候補者の戸籍謄本  
  • 本人及び後見人等候補者の住民票   
  • 本人の成年被後見人等の登記がされていないことの証明書(発行から3か月以内のもの) 
  • 本人の診断書(発効から3か月以内のもの)  
  • 本人の健康状態に関する資料(身体障害者手帳などの写しなど)

また、申し立て手数料として800円、登記手数料として2,600円の費用が必要です。

まとめ

成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度があります。法定後見制度は、本人の認知能力が低下してから家庭裁判所に申し立てを行い、後見人を選定します。一方、任意後見制度は本人が元気なうちに自分で後見人を選んでおき、実際に認知症などになってから家庭裁判所に申し立てすると後見人の効力が発生する流れです。


成年後見制度では、後見人が財産管理と身上保護を行います。本人が騙されたり、理解せずに契約したりしてしまったとしても後見人による取り消しができます。


また、積極的な資産運用はできませんが、施設に入るために本人の自宅を売却して資金を作るといったことも可能です。法定後見制度については、認知症を発症してからでも利用できますので、親が認知症を発症して財産の管理に不安を感じるのであれば、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。


成年後見人制度ついて詳しく知りたい方は、ぜひ司法書士法人みどり法務事務所までご連絡ください。

この記事を監修したのは、

代表 寺島 能史

所属 司法書士法人みどり法務事務所 東京司法書士会 会員番号 第6475号 認定番号 第901173号 資格 司法書士

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