相続登記をしないとどうなる?3つのデメリットを解説
2022.09.22 相続登記(名義変更)現状の相続登記には、期限や罰金制度がないので「手続きが面倒だから、しなくていい」「また今度でいいか」と、登記をしない方もいらっしゃいます。
しかし、相続登記を放置しておくことでデメリットが発生します。
本記事では、相続登記をしないことでのデメリットを説明します。2024年の法改正についても触れていきますので、参考にしてください。
目次
相続登記をしないことで起こりうる3つのデメリット
冒頭でお伝えした通り、相続登記をしないことはデメリットになります。その理由は次の3つです。
➀不動産を売却できない
不動産の登記は「不動産の所有者が誰であるか」を明確にするための手続きです。つまり、相続した不動産の相続登記をしなければ、不動産の名義は被相続人のままということになります。
被相続人名義のままでは不動産を売却、担保に利用することはできず、もちろん賃貸として貸し出すこともできません。つまり、残された不動産の活用ができないということです。
不動産を活用しようと思って買い手が見つかったとしても、その時点で相続登記が完了していなければ売却はできないので、早めに対応しておきましょう。
②相続関係が複雑になる可能性がある
相続登記をしないままにしておくと、年月が経つにつれて権利関係が複雑になる可能性があります。なぜなら代替わりによって、不動産を相続する権利を持つ人が増えてしまうからです。
相続によって受け継いだ不動産は、登記をするまでは相続人全員で共有している状態であり、相続人が死亡すると、さらにその相続人に権利が移行し、ネズミ算式に増えていきます。
➂不動産の一部が差し押さえられる可能性がある
相続人の中に借金の支払いが滞っている人がいる場合、相続した不動産の相続登記をしないままにしておくと、不動産の一部が差し押さえられる可能性があります。
なぜなら、遺産分割協議などにより不動産を取得する人が決まったにもかかわらず、その人名義に変更する相続登記がされていない状態では、お金を貸していた金融機関が勝手に相続人全員の共有名義での相続登記を申請することができるからです。
その結果、借金の支払いが滞っていた相続人の持分について差押えの登記が入り、最悪の場合には競売により売却されてしまうため、本来遺産分割協議などで所有権全部を取得するはずだった相続人も差し押さえられた持分については取得できなくなってしまうのです。
つまり、このような事態を防ぐためには、遺産分割協議だけではなく相続登記の手続きが必要になります。
不動産の一部差し押さえは稀なケースではありますが、何が起こるかわかりません。不動産の一部が差し押さえられると、活用はおろか、売却も難しくなります。このような事態を防ぐためにも、不動産の相続が発生したら速やかに相続登記をしておきましょう。
2024年4月以降は相続登記をしないと過料が発生!
現時点では相続登記の義務化はされておらず、登記を放置したからといって罰金制度も設けられていません。しかし、所有者不明の土地が増えたことが問題視され、2021年4月に相続登記を義務化する法案が可決されました。
施行は2024年4月1日からの予定です。内容の一部を見てみましょう。
- 相続人が自身のために相続が発生したことを知り、かつ、不動産の所有権を取得したことを知った時から3年以内に相続登記の申請をしなければ、10万円以下の過料が科せられる
- 改正法が施行されるよりも前に亡くなった方に関する相続にも適用される(つまり、昔亡くなった方名義のまま放置されている不動産の相続人も過料の対象になることがある。)。
- 氏名や住所変更の登記も義務化される
ポイントは、施行日以前に開始した相続にも適用されるということです。相続登記をしないまま放置している不動産がある場合には、過料が科せられる可能性があります。
もし、相続登記をしていない不動産がある場合には、義務化までに必ず手続きを済ませておきましょう。
相続登記の申請方法は2つ
相続登記の申請方法は2つあり、1つ目が「司法書士へ依頼する」方法、2つ目が「自分で申請する」方法です。
司法書士に依頼する
相続登記は司法書士に依頼することができます。司法書士に任せれば、自分で対応する手間がなくなり、スムーズに登記を済ませられます。
報酬額は司法書士事務所によって異なりますが、戸籍収集や遺産分割協議書の作成などを総合的に依頼した場合、報酬相場は10〜15万円程度です。
司法書士事務所のなかには、定額の相続登記代行サービスを提供している事務所もあります。
例えば、司法書士法人みどり法務事務所が運営している「スマそう-相続登記-」は、定額67,800円(税別)と、相場よりもお手頃な価格で相続登記の各種お手続きを代行しています。ご契約前の相談・見積もりは無料で対応しており、LINEやメール、ビデオ通話で完結するため、事務所に出向く必要はありません。
「スマそう-相続登記-」について、詳しくはこちらをご確認ください。
自分で申請する
相続登記は自分で申請することも可能です。しかし、登記の知識や経験がない方が手続きをするのは、完了までに時間がかかります。
登記に関わる書類を集めることや、法務局の窓口へ出向いて手続きするのには、かなりの手間と労力がかかるからです。
手続きに関して少しでも不安がある方は、司法書士への依頼を検討したほうが良いでしょう。
まとめ
2022年9月時点では、相続登記に期限や罰金制度はありませんが、本記事で説明したように、放置することにはデメリットしかありません。
さらに、2024年4月からは相続登記が義務化されるので、登記を放置した場合には過料が科せられます。現時点で相続が発生している方は、法改正の前までに相続登記を行なうことをおすすめします。
専門家に依頼をすれば手間なく手続きが進められるので、相続登記で悩んでいる方は相談してみてください。
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