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固定資産評価証明書とは?取得方法や見方、相続手続きで使うときの注意点

2022.11.22 不動産登記 固定資産評価証明書とは?取得方法や見方、相続手続きで使うときの注意点

この記事を監修したのは、

辻本 歩

所属 司法書士法人みどり法務事務所 愛媛県司法書士会 会員番号 第655号 認定番号 第1212048号 資格 司法書士

相続や贈与で不動産を取得すると登記や税金の申告対応が発生し、手続きで使う書類を揃える必要があります。「固定資産評価証明書」も手続きで必要になる書類のひとつです。

固定資産評価証明書とはどのような書類なのか、この記事では固定資産評価証明書の見方や取得方法、法務局や税務署に提出する際の注意点を解説します。

固定資産評価証明書とはどんな書類?

固定資産評価証明書とは文字通り「固定資産の評価を証明する書類」です。まずは、固定資産評価証明書の概要から見ていきます。

土地や建物の価格を証明する書類

土地や建物の評価額は自治体が個別に調査した上で決定して、自治体が管理する固定資産課税台帳に登録されています。固定資産課税台帳に登録されている、固定資産評価額を証明する書類が固定資産評価証明書です。固定資産評価証明書には、評価額のほかに所有者や所在地、地積、床面積などが記載されています。

固定資産評価証明書と名称がよく似た書類に固定資産公課証明書がありますが、評価証明書が評価額を証明する書類であるのに対して、公課証明書は公的な課税額、つまり税額を証明する書類です。公課証明書には税額(課税相当額)が記載されていますが、評価証明書には記載されていません。

また、固定資産税納税通知書も名称が似ていますが、こちらは土地や建物の所有者に対して納税額を通知するために送られる書類です。評価証明書のように申請した人にだけ発行されるものではなく、納税義務者に対して自治体から送付されます。

税金の計算や申告・登記の手続きで必要

登録免許税や相続税、贈与税など、税金の中には固定資産評価額を使って税額を計算するものがあり、固定資産評価額を確認するために固定資産評価証明書が必要となります。

登録免許税とは、不動産の名義変更手続きである登記を行う際に納付する税金で、税額は課税標準額(固定資産評価額の千円未満を切り捨てた金額)に税率をかけて求めた金額です。

相続税・贈与税は相続・贈与で財産を取得した人に課される税金で、財産の中に建物が含まれる場合は固定資産評価額を使って税額を計算します(相続財産・贈与財産に土地が含まれる場合も、固定資産評価額を使って税額を計算する場合があります)。

税額の計算で固定資産評価額を使う場合、税額計算の基礎となる固定資産評価額を証明する書類として固定資産評価証明書を提出することが一般的です。税務署に税金の申告書や法務局に登記申請書を提出する際、固定資産評価証明書も提出することになります。

固定資産評価証明書の見方

固定資産評価証明書の様式は自治体によって異なりますが、記載されている項目は基本的に同じです。以下では、項目ごとに固定資産評価証明書の見方を紹介します。

[固定資産評価証明書の見本(東京都23区)]

固定資産評価証明書の見本(東京都23区)

引用:東京都主税局「固定資産評価証明書の見方

➀所有者

対象の固定資産を所有している人の氏名や住所が記載されています。

②所在

対象の固定資産がどこにあるのか市区町村や番地等が記載されています。

③【土地】地目・地積

対象の固定資産が土地の場合には、地目・地積が記載されています。地目とは土地の用途、地積とは土地の面積です。地目はその土地の利用状況によって区分したもので、家が建っている土地であれば宅地と記載されています。

➃【家屋】種類・構造・床面積

対象の固定資産が建物の場合には、種類・構造・床面積が記載されています。種類とは建物の使用目的、構造とは木造や鉄骨造など建物の造りのことです。種類は居住用であれば居宅、事業用であれば店舗や事務所などと記載されています。

⑤固定資産税評価額(価格)

対象の固定資産の評価額が記載されています。

⑥課税標準額

課税標準額とは固定資産評価基準をもとに計算した金額で、税額計算の基準となる金額が記載されています。

固定資産評価証明書の取得方法

固定資産評価証明書を取得できるのは、土地や建物などの固定資産がある地域の自治体です。以下では、取得できる人と取得する際の手続きの流れを紹介します。

誰でも取得できるわけではない

固定資産評価証明書を取得できるのは、その固定資産の所有者本人と関係者だけです。ここでの関係者とは、本人と同居している家族や相続人、借家人・借地人などのことを指します。また、委任状があれば代理人が取得することも可能です。

発行に必要な書類と手続きの流れ

固定資産評価証明書は、自治体の窓口で手続きをして取得するか郵送で申請して取得します。その際に要する発行手数料は自治体によって異なりますが、概ね1通につき300円程度であることが多いです。

手続きでは交付申請書や本人確認書類などが必要になりますが、誰が手続きをするのかによって必要書類が変わります。事前に自治体に問い合わせて必要書類を確認するようにしてください。交付申請書の用紙は、自治体サイトからダウンロードできる場合が多いので確認してみましょう。

本人が手続きをする場合は交付申請書や本人確認書類が必要になり、本人以外が手続きをする場合はケースごとに必要書類が異なります。同居の家族が手続きをするのであれば、住民票や戸籍謄本など本人との関係が分かる書類が必要です。

相続人が手続きをする場合は、被相続人が亡くなっていることが確認できる書類や相続関係が確認できる書類として住民票の除票や戸籍謄本などが必要になります。代理人が手続きをする場合は、委任状や代理人自身の本人確認書類が必要です。

固定資産評価証明書を発行するときの注意点

固定資産税評価額は3年に1度見直しが行われます。固定資産評価証明書に記載されている評価額は年によって変わる場合があるので、証明書を取り寄せる際には発行する年度に注意が必要です。

登記では最新年度の証明書を用意する

不動産の登記では、登記をする年度の固定資産評価証明書を使います。ここで注意すべきは、評価証明書を取得するタイミングです。
具体的には、4月に登記を申請するなら4月以降に証明書を取得する必要があり、3月以前に取得した証明書は使えません。 なぜかというと、前記の評価額の見直しが該当年度の4月から適用されるからです(3月まで100万円だった土地が、4月から110万円に変更されることがあるということ)。

例えば、4月以降に相続登記を申請するのであれば、4月以降に評価証明書を取得する必要があります。

相続税や贈与税の計算では該当年度の証明書を用意する

相続税や贈与税の計算では、相続の開始日や贈与日が属する年度の証明書を使います。

例えば、令和3年10月に相続が開始して令和4年7月に相続税の申告を行うケースでは、令和3年度の証明書が必要です。

不動産の登記と税金の申告、それぞれで固定資産評価証明書を提出する場合、必要となる証明書の年度が異なる場合があるので注意しましょう(前記の例で令和4年7月に相続登記の申請もする場合、税務申告には令和3年度の評価証明書を、登記申請には令和4年度を使用します)。

まとめ

税務署や法務局で不動産に関する手続きをする際、提出書類のひとつとして固定資産評価証明書が必要になる場合や、税金を計算するために固定資産評価証明書を取り寄せて不動産の評価額の確認が必要になる場合があります。

相続税や贈与税の申告のように期限が決まっている手続きもあるので、固定資産評価証明書が必要な場合には早めに取り寄せるようにしましょう。その際、税金の申告と登記では必要になる固定資産評価証明書の年度の考え方が違う点に注意が必要です。

当事務所では、皆様になるべくストレス無く相続を済ませていただくために、定額の相続登記代行サービス「スマそう-相続登記-」をはじめとする、相続に関する各種サポートを行っています。まずはお気軽にお問い合わせください。

この記事を監修したのは、

辻本 歩

所属 司法書士法人みどり法務事務所 愛媛県司法書士会 会員番号 第655号 認定番号 第1212048号 資格 司法書士

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