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不動産を相続したら名義変更が必要!手順や注意点、 専門家に依頼すべきケースを徹底解説

2022.12.12 不動産相続・土地活用 不動産を相続したら名義変更が必要!手順や注意点、 専門家に依頼すべきケースを徹底解説

この記事を監修したのは、

代表 寺島 能史

所属 司法書士法人みどり法務事務所 東京司法書士会 会員番号 第6475号 認定番号 第901173号 資格 司法書士

1.不動産を相続する流れ

不動産を相続した場合、相続登記により不動産の名義を相続人のものに変更することになります。登記と聞くと複雑な手続きが必要と思われる方がいるかもしれませんが、相続登記については大まかに4つの手順に分けることができます。

相続する不動産を確認する

相続登記は不動産の所在地を管轄している法務局に申請するので、まずは相続する不動産を確認する必要があります。

不動産の権利関係は登記事項証明書に記載されているため、それを確認しましょう。

登記事項証明書の所在が分からない場合でも、不動産を所有している場合、毎年4月頃に固定資産税納税通知書が届くため、それに記載されている地番や家屋番号をもとに法務局またはオンラインで確認することが可能です。

不動産を相続する人を決める

被相続人が遺言書を残していればそれに従います。

遺言書がない場合は相続人同士の遺産分割協議で不動産を相続する人を決定します。遺産分割協議が完了したら、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名捺印を行います。

なお、遺産分割協議は必須ではありませんが、遺産分割協議を行わないと、不動産は法定相続分に応じた相続人同士の共有状態となります。不動産が共有状態だと処分が困難になる恐れがあるため、可能な限り特定の相続人の名義にした方が良いでしょう。

相続登記に必要な書類を集める

登記では、申請書のほかに所有権が移ったことを証明するための書類等が必要です。詳しくは次項に記載しますが、相続登記の場合は、被相続人・相続人の戸籍や遺産分割協議書等が必要になります。

管轄の法務局へ申請する

必要な書類がそろったら、相続した不動産を管轄する法務局に相続登記を申請します。

申請内容に問題がなければ、法務局から登記識別情報・登記完了相が発行されるので、厳重に保管しましょう。

以上が相続登記の4つの手順です。より詳しい必要書類の種類・取得方法等は次項に続きます。

2.相続不動産の名義変更をする手順

本項では相続登記の手順を詳しく説明していきます。

1.登記申請に必要な書類を取得する

登記申請の準備として、まずは必要な書類を取得するところから始めましょう。

相続登記に必要な書類とその取得場所は次の通りです。

書類名

取得場所

備考

登記申請書

自分で作成

法務局のHPにひな形が掲載されているので参考にしましょう。
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html

被相続人の戸籍謄本

被相続人の本籍地の役場

出生から死亡までのものが必要です。

被相続人の①住民票除票または②戸籍の附票

①被相続人の最後の住所地を管轄する役場
②被相続人の本籍地の役場

本籍地の記載のあるものが必要です。

法定相続人全員の戸籍謄本

各相続人の本籍地の役場

被相続人が死亡した日以降の証明日のものが必要です。

不動産を取得する相続人の住民票

相続人の居住する役場

 

固定資産税評価証明書

不動産所在地を管轄する役場

 

相続関係説明図

自分で作成

法務局のHPにひな形が掲載されているので参考にしましょう。
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000015.html

遺産分割協議書
(遺言書がない場合)

自分で作成

相続人全員が署名捺印する必要があります。
形式が分からない場合は、インターネットで「遺産分割協議書 ひな形」と検索して出てきたものを参考にしましょう。

印鑑証明書
(遺言書がない場合)

相続人の住所地の役場

 

遺言書
(遺産分割協議をしない場合)

 

公正証書遺言でない場合は家庭裁判所により検認が必要です。

2.登記申請書を作成する

登記申請書に必要事項を記載します。

記載事項は法務局のひな形を参考にしましょう。

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html

申請書に登録免許税の項目があります。詳しくは次項に記載しますが、登録免許税は、「不動産の評価額 × 税率」で求められ、相続登記での税率は「0.4%(1000分の4)」ですので、固定資産税評価証明書に記載されている評価額にこの税率をかけましょう。

3.申請書を提出する

必要書類がそろったら、相続不動産を管轄する法務局に提出します。提出方法は窓口・郵送・オンラインの3種類があるので、自身にあった方法を選ぶと良いでしょう。

 

①窓口

法務局に直接提出する方法です。

簡単な修正であればその場で訂正することが可能なので、訂正印として申請書に押印した印鑑を持参しましょう。

ただし、窓口は基本的に平日しか対応していません。

 

②郵送

郵送であれば管轄法務局が遠方であっても対応が可能です。

郵送する際の封筒には「登記申請書在中」と明記する必要があります。また、重要な書類を多く封入することになるため、書留郵便や赤色のレターパックなどを利用すべきでしょう。

ただし、登記申請書に不備があっても訂正に時間がかかるため、すぐに登記したい場合などには郵送は不向きと言えます。

 

③オンライン

登記はオンラインでも申請が可能です。オンラインであれば自分に都合のいいタイミングで窓口に出向くことなく申請が可能であるため、環境が整っているのであればオンライン申請がおすすめです。

登記・供託オンライン申請システムを利用した手続き

https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/

マイナンバーカードを利用した手続き

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/fudosan_online03.html

4.交付書類を受け取る

登記申請書と添付書類に不備がなければ、法務局から次の3種の交付書類を受け取って相続登記の手続きは完了となります。

 

①登記識別情報

登記識別情報とは、不動産の名義人になった人に定められる番号が記載された書類で、いわば不動産の権利証です。

登記識別情報は重要な情報です。番号部分に目隠しシールが貼られていますが、これは剥がさずに厳重に保管しましょう。

 

②登記完了証

登記完了証とは、登記の申請が完了したことを証明する書類です。

登記が完了したことを証明する以外に特に効力はないため、不要であれば処分しても問題はありません。

 

③原本還付書類

原本還付とは、登記が完了した後に添付書類の原本を変換してもらう手続きです。

相続の場合は、戸籍謄本等の添付書類の一部を銀行預金の口座名義変更等の手続きにも使用することになるため、相続登記の際は原本還付を申請した方が良いでしょう。

 

原本還付の方法は次の通りです。

1.返却してほしい書類を原寸大でコピーする。

2.コピーした書類の余白に、登記申請人が「原本と相違ありません」と記載するし、署名捺印する。

3.登記申請書にコピーした書類をホチキス等で綴り、原本も一緒に提出する。

4.登記完了後、しばらくすると原本を返還してもらえます。

※1 相続関係説明図があれば戸籍謄本についてはコピーをする必要はありません。

※2 郵送で原本還付書類を受け取る場合は、切手を張り付けた返信用封筒が必要です。

3.相続不動産の名義変更にかかる費用

相続登記にかかる費用には、必須なものとして登録免許税と書類の取得費用、必ずしも必要でないものとして司法書士への報酬があります。

登録免許税

登録免許税とは、登記を申請する際に発生する税金で、税額は次の式で求められます。

 不動産の評価額 × 税率

そのため登録免許税を求めるには、まずは不動産の評価額を知る必要があり、これは「課税明細書」または「固定資産税評価証明書」に記載されています。

課税明細書は、固定資産税が記載された書類で、不動産の諸州者に対し役所から毎年4月ごろに送付される書類です。

固定資産材評価証明書は、固定資産税の課税対象となる資産についてその評価額を証明する書類で、取得するには役所に請求する必要があり、その際には1通300~400円程度の手数料がかかります。

なお、課税価格となる不動産の評価額は1000円未満切り捨てで、同時に複数の不動産を相続した場合は、不動産の評価額を合計した額から1000円を切り捨てます。

続いて「税率」ですが、相続を原因とする場合は「0.4%(1000分の4)」ですので、2000万円の不動産であれば「2000万×0.4%」で8万円になります。

より詳しい登録免許税の計算例

評価額が2543万1234円の土地と評価額が1564万1003円の家を相続した

①不動産の評価額を合算

2543万1234円 +1564万1003円 = 4107万2237円

②不動産の評価額を合算した額から1000円未満を切り捨てる

4107万2000円  ← これが課税価格となる

③課税価格に税率をかける

4107万2000円 × 0.4% = 16万4288円

④税率をかけた額から100円未満を切り捨てる

16万4200円  ← これが最終的な登録免許税となる

必要書類の取得費用

相続登記では、不動産を相続したことの証明として、戸籍謄本等の書類を添付書類として提出する必要があります。これらの書類は、1通当たりの手数料自体は大きくありませんが、相続関係によっては大量の戸籍が必要になり、また遠方から書類を取り寄せる場合は送料も加算されます。

一般的な相続登記で必要な戸籍謄本等は5~10通程度で、実費だけでも5000~1万円ほどはかかります。

書類名

1通当たりの手数料

備考

戸籍謄本

450円

 

除籍謄本

750円

 

改製原戸籍

750円

 

戸籍の附票の写し

300円

 

住民票

300~400円

自治体により異なる

印鑑証明書

200~400円

自治体により異なる

固定資産税評価証明書

200~400円

自治体により異なる

司法書士への報酬

司法書士に相続登記を依頼した場合は報酬が必要です。

司法書士の報酬は各司法書士が自由に定めることになっており、相続登記の場合の相場は6~10万円です。

ただし、この相場はあくまで1件の「相続登記」の申請に対する報酬です。多くの司法書士事務所では、相続登記を行う物件の数、相続人の数、遺産分割協議書の作成業務によって報酬は変わってきます。

また、この金額はあくまで相続登記の手続き報酬ですので、後述の戸籍謄本等の必要書類の収集にかかる実費とは別になります。

4.相続不動産を名義変更する際の注意点

相続登記を、司法書士への報酬を節約するために自分で進めたいと考える方もいると思われます。そのような方のために、本項では相続登記を行う際の注意点を説明します。

相続人の確定を必ず行う

相続登記の手続きでまず行うべきは、相続人を確定させることです。

一部の相続人が欠けたまま遺産分割協議を行うと、内容によっては無効となり、相続登記の申請自体も不備があるとして補正の対象となります。

相続人の確定は、被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得し、隠し子等がいないことを確認する必要があります。戸籍は、婚姻や転籍によって書き換えられるため、戸籍に記載されている書き換え原因等を読み解き、従前の役場から順に出生まで遡っていくことになります。

自筆遺言がある場合は検認が必要

被相続人が公正証書遺言以外で遺言を残していた場合、それを見つけてもすぐに開封指定はいけません。まずは、家庭裁判所に遺言を提出して検認を請求する必要があります。

検認とは、遺言書の内容を明確にして偽造・変造を防止する手続きで、検認が行われないまま相続登記を申請することはできません。

遺産分割協議書の形式を守る

遺産分割協議書に決まった書式はありませんが、日付の記載・対処財産の記載・署名捺印等、最低限押さえておかなければならない点が多数あり、その点を守らなければ無効となってしまいます。

以下は法務局による遺産分割協議書の記載例ですので、自分で作成する場合は参考にしましょう。

法務局:https://houmukyoku.moj.go.jp/shizuoka/page000001_00223.pdf

法務局または専門家に事前に相談する

相続登記の手続きは、ある程度の事前知識がないと進めることは困難です。もし、自分だけで手続きを進められないと感じたのであれば、法務局の登記手続きに関する事前相談を利用しましょう。

ただし、法務局での事前相談は、個々の事案に応じて手取り足取り指導してくれるわけではなく、また事前に内容の審査までは行われません。

専門家であれば個々の事案に応じた的確なアドバイスが可能であるため、多少費用がかかっても専門家に相談することが相続登記を早く終わらせるための近道です。

5.相続不動産の名義変更を専門家に依頼したほうが良いケース

相続登記は必ずしも司法書士に依頼する必要はないと説明しましたが、以下のようなケースでは司法書士等の専門家に依頼をすべきです。

長年にわたって相続登記が行われていない場合

相続登記をしないまま放置すると、その間に不動産の現所有者が死亡して次の相続が発生し、相続関係、相続手続きは複雑となります。

例えば、祖父→母→自分へと不動産を相続したケースで、不動産の名義が祖父のままだと、遺産分割協議は祖父の相続人と母の相続人を含めて行う必要があり、相続人調査は煩雑となるばかりか、相続人の数が多いため相続人同士がもめてしまい、遺産分割協議がまとまらないおそれが出てきます。

また、不動産の名義人の代が古いと、現代とは戸籍の見方が異なるため、必要書類を収集するのは慣れていない人にとって非常に困難となり、司法書士等の専門家に依頼せざるを得なくなります。

相続税が発生する場合

相続税が発生する場合、相続があったことを知った日から10カ月以内に相続税の申告が必要です。

相続税は、2つの式で求められます。

①基礎控除額=3,000万+600万×法定相続人の数

②税額=(相続税評価額―基礎控除額)×税率―控除額

相続財産が①の基礎控除額を超える場合は相続税の申告が必要となりますが、相続財産の評価等、複雑な手続きが必要なため、早い段階で税理士に依頼しましょう。

相続人間でトラブルが起こっている場合

遺産分割協議は後のトラブルを防止するため、相続人同士の十分な話し合い・連携が必要ですが、相続人同士の関係が疎遠の場合、感情的なもつれなどにより争いに発展してしまうケースがあります。

当初から司法書士が専門的な第三者の立場で間に入り、遺産分割協議を進めれば、争いを未然に防げる可能性が高いです。

なお、既に相続人間の争いが顕在化している事案は、司法書士では扱えないため、弁護士に相談しましょう。

相続財産が多い場合

相続登記をする前提として、まずは相続を承認するか放棄するかを決める必要がありますが、相続の承認・放棄は原則として相続があったことを知った日から3カ月以内に行わなければなりません。

相続財産が多い場合、調査に時間がかかり、3カ月以内を経過する恐れがありますが、手続きに慣れている専門家であれば迅速に調査が可能です。

すぐに名義変更をしたい場合

不動産の処分をする場合、あらかじめ相続登記を済ませておく必要があります。

相続登記に不備があり登記が完了しないと、取引相手に損失を与える恐れもあるため、すぐに名義を変更したい場合は司法書士に依頼して確実に登記を完了させましょう。

6.まとめ

以上、不動産を相続してから相続登記を行うまでの流れを説明しましたが、単一の不動産を単独で相続するようなケースでもない限り、相続登記の手続きは複雑です。

事前知識があまりない状態で専門家の関与なく手続きを進めても、手間と時間が無駄にかかり、場合によっては相続人間のトラブルに発展しかねません。

また、法改正により相続登記は義務となり、令和6(2024)年4月1日以降、相続があったことを知った日から3年以内に相続の登記をする必要があり、正当な理由なくこれをしないと10万円以下の過料に処せられるおそれがあります。

確実に相続登記を完了させるために、多少費用が掛かったとしても、司法書士等の専門家に手続きを依頼することをお勧めします。

当事務所では、皆様になるべくストレス無く相続を済ませていただくために、定額の相続登記代行サービス「スマそう-相続登記-」を始めとする相続に関する各種サポートを行っています。まずは、お気軽にお問い合わせください。

この記事を監修したのは、

代表 寺島 能史

所属 司法書士法人みどり法務事務所 東京司法書士会 会員番号 第6475号 認定番号 第901173号 資格 司法書士

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