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土地相続における名義変更の流れ・必要書類・費用・注意点などを徹底解説!

2023.03.02 相続登記(名義変更) 土地相続における名義変更の流れ・必要書類・費用・注意点などを徹底解説!

この記事を監修したのは、

代表 寺島 能史

所属 司法書士法人みどり法務事務所 東京司法書士会 会員番号 第6475号 認定番号 第901173号 資格 司法書士

相続、売買など、原因を問わず土地の所有者が変わった場合は名義変更を行う必要があります。

しかし、土地取引などは多くの人にとってあまりなじみのないことですので、どのような手続きで名義変更を行うか、分からない方もいるでしょう。

そこで、本記事では土地の名義変更の方法やそれに係る費用などを解説していきます。

土地の名義変更とは?

土地の名義変更とは、土地の所有者が変わった場合に法務局で登記簿の所有者を変更する手続きです。

所在地や所有者など土地を含む不動産の権利関係は、法務局が管理する登記簿に記録されています。登記簿に名前がないと真に土地の所有者になれない、というわけではないのですが、取引の安全の見地から、名義変更をしないと様々なデメリットがあります。

※デメリットについては後述します。

相続で土地の名義変更をする流れ

土地の名義変更は、原因を問わず土地の所有者が変わった場合に行うので、土地の所有者が死亡し、相続人がその土地を相続した場合は、相続人に名義を変更することになります。

1遺言書の有無を確認する

まずは遺言書が残されていないかの確認をしましょう。

遺言書は、亡くなった方が、遺産をどのように相続させるかなどを記載した書類です。

もし遺言書が見つかった場合、開封する前に裁判所に届け出て、検認という手続きを受ける必要があります。

2遺産分割協議をする

遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行います。

遺産分割協議は、相続人同士で遺産をだれがどの財産を相続するか話し合うことです。これには相続人全員の参加が必要ですが、現実に一つの場所に集まる必要はなく、文書や電話でも大丈夫です。

遺産分割協議が済んだら遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議書は、遺産分割の内容を記載した書類で、相続人全員の署名捺印が必要です。

3土地の名義変更に必要な書類を集める

相続関係の証明のため、以下の書類が必要です。

  • 亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍謄本
  • 亡くなった方の戸籍の附票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 不動産の名義人になる相続人の住民票
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 不動産の固定資産税評価証明書

4書類を作成する

登記申請書を作成します。ひな形は以下の法務局のHPに載っているのでそれを参考にすると良いでしょう

法務局:https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html

5法務局で手続きをする

集めた書類を添付して申請書を法務局に提出します。

提出方法は、窓口、郵送、インターネットの3つがあります。

土地相続で名義変更するときに必要な書類

被相続人に関する書類
(亡くなった方)

・出生から死亡までの戸籍謄本

・住民票の除票、または戸籍の附票

相続人に関する書類

・相続人全員の戸籍謄本

・名義人になる相続人の住民票

・印鑑証明書

その他

・遺産分割協議書

・固定資産税評価証明書

書類収集時の注意点

  • 書類の取得場所は基本的に役所です。
  • 相続登記に添付する書類に有効期限はありません。発行から3カ月を経過しても使用できます。

相続した土地の名義変更にかかる費用

土地の名義変更では、必要な費用として「登録免許税」と「書類の取得費用」が、手続きを司法書士に依頼した場合にかかる「司法書士への報酬」があります。

登録免許税

登記を申請する際、申請者に「登録免許税」という税金が課税され、申請書に収入印紙を貼って納めます。

収入印紙は法務局、郵便局で購入できます。コンビニでも売っていますが、裁判所などに併設されたコンビニでもない限り、安い値段のものしか扱っていません。

そして、登録免許税の額は「不動産の評価額 × 税率」で求められ、税率は不動産を取得した原因によって異なります。

相続登記の場合の税率は0.4%なので、仮に、1000万円の土地について相続登記をする場合は次のようになります。

1000万円 × 0.4%  =  4万円

書類の取得費用

書類名

1通当たりの手数料

戸籍謄本

450円

除籍謄本

750円

改製原戸籍

750円

戸籍の附票の写し

300円

住民票

300~400円

印鑑証明書

200~400円

固定資産税評価証明書

200~400円

司法書士への報酬

名義変更手続きを司法書士に依頼した場合、司法書士への報酬が発生します。

報酬は司法書士事務所により異なりますが、相続登記の場合は、1件当たり6万円~10万円が相場です。

また、司法書士に依頼した場合は、実費として前述の書類の取得費用も発生します。

土地相続における名義変更の注意点

遺産分割協議が終了するまでは名義変更できない

相続が発生すると、相続財産は法定相続分に応じた相続人同士の共有状態となります。

遺産分割協議をしないと、この法定相続分と異なる内容で登記ができませんが、次で解説する通り、土地の共有状態は避けるべきです。

そのため、相続登記は遺産分割協議が済んでから行いましょう。

土地の共有はできるだけ避ける

相続人が複数人いる場合でも、土地は一人の相続人が単独で相続することをお勧めします。

土地は相続人の数に応じて共有することもできますが、共有状態だと、土地を処分するためには共有者全員の同意が必要となるため、土地の流動性が下がってしまいます。

また、持ち分だけでは土地の処分ができない以上、持ち分だけを売ろうと思っても、価値が相当に低くなってしまいます。

特に、持ち分にさらに相続が生じた場合、権利関係が複雑になっていきます。

特定の相続人が単独で土地を相続すると不公平になる場合があります。その場合は、

  • 土地を相続したあとに売却して現金を分割する、
  • 土地を相続する代わりに債務も相続する、
  • 土地を相続する代わりに他の相続人に現金を払う

などの分割方法もあるので、場合に応じて柔軟に協議していきましょう

不安や疑問に思うことがあれば専門家に相談する

もし、土地の名義変更を進めるうえでわからないことがあれば、一度専門家に相談すると良いでしょう。

相続に関する問題は、個別の事案に応じてさまざまですが、専門家であれば、法的な見地から的確なアドバイスが可能なので、問題を解決に導ける可能性が高いです。

土地を相続したときに名義変更しないとどうなる?

土地を相続した場合には名義変更が必要と解説してきましたが、それをしないとどのようなデメリットがあるのでしょうか。

土地を売却できない

名義変更をしないと、土地の売却などの処分ができません。

法的には、土地を相続すればその土地の所有者となりますが、相続人以外の第三者にとって相続関係は不明です。

そのため、名義変更をしておかないと、相続によりその土地の所有者になったことを相続人以外の第三者に主張することができず、土地を売ることができません。

土地を買う側からしても、登記に名前がない人から土地を売ると言われても、信用することできないでしょう。

そのため、土地の売却を検討している場合は、相続後ただちに名義変更を済ませましょう。

土地を差し押さえられる可能性がある

土地の権利の一部を差し押さえられる恐れがあります。

前述の通り、名義変更をしておかないと、相続によりその土地の所有者になったことを相続人以外の第三者に主張できません。

仮に、相続人に子Aと子Bがいるケースで、遺産分割協議によりAが土地を単独で相続したが、それを登記しないと、Bの債権者Cが、Bの法定相続分の1/2の限度で土地を差し押さえることが可能です。

登記をしていない以上、AはCに、土地を単独で相続したことを主張できないからです。

相続関係が複雑になってしまう

相続登記をしないまま、相続人が死亡した場合、さらに相続が発生して権利関係が複雑になっていきます。

相続人の一部にさらに相続が発生した場合、遺産分割協議は、2回目の相続人を含めた全員で行う必要があり、話し合いをまとめるのが難しくなります。

また、相続関係が複雑になる分、権利関係や必要書類の判断が難しく、自身で手続きを進めることができず専門家に依頼せざるを得なくなります。

2024年4月1日からは過料が科せられる

令和6(2024)年4月1日以降は、相続登記をしないまま放置すると罰則が科せられる恐れがあります。

これまで、相続登記の申請は義務ではありませんでした。

しかし、法改正により令和6(2024)年4月1日以降は相続登記が義務となります。

これは、相続があったことを知った日から3年以内に相続登記をする必要がありますが、この申請義務を正当な理由なく怠ると10万円以下の過料となります。

※ 正当な理由があると考えられるのは次のようなケースです

  • 数次相続が発生して、相続人調査や必要書類の収集に多くの時間を要する
  • 遺言の有効性や遺産の範囲等が争われている
  • 申請義務を負う相続人自身に重病等の事情がある

まとめ

以上が土地の名義変更についてです。

土地の名義変更は、遺言書の確認、遺産分割協議、書類の収集・作成、登記の申請など、必要な手続きが多岐にわたります。

慣れていない方にとって、名義変更の手続き複雑なものが多いです。不明・疑問な点がある、手続きをスムーズに進めたい方は、一度司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。

みどり法務事務所では相続でお悩みの皆様に、安心でリーズナブルな相続を済ませて頂くために、定額の不動産の名義変更サービス「スマそう-相続登記-」をはじめとする遺産相続に関する各種サービス(ゆうちょ・みずほ・三井住友・三菱UFJ、りそななどの各金融機関の相続に伴う預貯金の解約払戻し、その他相続に関する裁判所提出書類作成サポートなど)を行っています。

また、電話や来所での相続相談は無料で承っております。相続に関してお悩みの方はまずはお気軽にお電話ください。

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