相続税の税率はいくら?贈与税とどちらが高い?
2022.10.07 税金対策相続財産にかかる相続税の税率が、いくらになるか不安な方もいらっしゃるでしょう。また、相続税と贈与税の税率はどちらが高いのかについて気になる方も多いかと思います。
この記事では、相続税と贈与税の税率、生前贈与で相続財産を圧縮する方法について解説します。
相続税の税率
まず、相続税の税率について説明します。
相続税は累進課税
相続税は一律ではなく、相続財産の金額によって税率が変わる累進課税制度です。相続財産が多ければ多いほど、相続税の負担も大きくなります。
相続税の税率を紹介
相続税の税率は、下記のとおりです。
相続税の速算表
法定相続分に応ずる所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 10% | - |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
出典:国税庁「No.4155 相続税の税率」
このとおり、法定相続分に応じて10%~55%で計算されます。資産が6億円を超えると、半分以上が相続税として課税されるので、相続資産が多い方にとっては重い負担といえるでしょう。
相続税の計算方法
相続税は全ての相続でかかるわけではありません。まず、相続税が加算されるかは、相続財産の総額が基礎控除の範囲内に収まるかで決まります。基礎控除の計算式は下記のとおりです。
【相続税の基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)】
例えば、法定相続人が被相続人の配偶者と子供3人の4人と仮定しましょう。このケースの基礎控除額は5,400万円です。預金・株式・不動産などのプラスの財産と借金などのマイナスの財産を全て合わせて、プラスの部分が5,400万円を超える場合に相続税が課税されます。
詳しくは【相続税の計算方法をやさしく解説!相続財産いくらからかかる?】の記事で詳しく説明していますので、ご確認ください。
相続税と贈与税はどちらが高いか?
生前に贈与をする場合には、贈与税がかかります。贈与税は「一般贈与財産」と「特例贈与財産」によって税率が異なります。
「一般贈与財産」(一般税率)
兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が20歳未満の場合
基礎控除後の課税価格 | 200万円以下 | 300万円以下 | 400万円以下 | 600万円以下 | 1,000万円以下 | 1,500万円以下 | 3,000万円以下 | 3,000万円超 |
税率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
控除額 | – | 10万円 | 25万円 | 65万円 | 125万円 | 175万円 | 250万円 | 400万円 |
「特例贈与財産」(特例税率)
直系尊属(祖父母や父母など)から、
その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)への贈与
基礎控除後の課税価格 | 200万円以下 | 400万円以下 | 600万円以下 | 1,000万円以下 | 1,500万円以下 | 3,000万円以下 | 4,500万円以下 | 4,500万円超 |
税率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
控除額 | – | 10万円 | 30万円 | 90万円 | 190万円 | 265万円 | 415万円 | 640万円 |
出典:国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)」
贈与税も相続税と同じく累進課税です。税率だけでみると、相続税より贈与税のほうが高いので生前贈与はしないほうが良いと感じるかもしれません。
しかし、贈与にはさまざまな特例があります。
例えば、毎年110万円まで非課税で贈与を受けられる暦年贈与です。1年間に贈与を受ける合計金額が110万円以内に収まる場合は贈与税を支払う必要がありません。そのため、何年間かに分けて暦年贈与の範囲内で贈与を行い、相続財産を圧縮することができます。
また「配偶者控除」「住宅取得資金贈与の特例」「教育資金の一括贈与に係る非課税措置」といった非課税で生前贈与できる制度も多いので、活用できるものは活用しましょう。
まとめ
相続税の税率は累進課税で、相続財産が基礎控除額を超える場合に相続税は発生します。贈与税と比べると相続税のほうが税率は低いですが、生前贈与をうまく活用すれば非課税で贈与して相続財産を圧縮できます。相続税の負担を減らしたいのであれば、生前からの対策がおすすめです。
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