不動産の名義変更の疑問点を解消!どこで手続きして、費用はどのくらい?
2023.03.30 相続登記
不動産を売買、相続したことにより、不動産の所有者が変わった場合は名義を変更する必要があります。
不動産売買の売買であれば、司法書士が立ち会って名義変更も済ませるのが一般的です。これに対し不動産相続では、必ずしも専門家が関与するわけではないため、名義変更を行わずそのままというケースがあります。
しかし、法改正により令和6(2024)年4月1日以降は、不動産を相続した場合の名義変更が義務となりました。そのため、いざ自分に不動産の相続が起きたときにスムーズに行動できるよう、どのような手続きをするのか、いくら費用がかかるか、などを本記事で把握していきましょう。
目次
相続登記(不動産の名義変更)とは?
不動産の名義変更とは、不動産の所有者が変わった場合に、法務局で不動産の名義を新た所有者に変更する手続きです。
そして、相続登記とは、不動産の所有者が死亡して不動産に相続が生じた場合に、不動産の名義を新たな所有者となった相続人に変更することを言います。
不動産の名義変更は自分でできる?
不動産の名義変更は法務局で行う手続きですが、手続きを特別な資格なくしてできるのでしょうか?
結論から言えば、不動産の名義変更は自分で行うことが可能で、特別な資格はいりません。※手続きを代行するには司法書士、弁護士の登録が必要
ただ、自分で手続きが可能と言っても、司法書士に依頼するのが一般的です。
不動産の名義変更は、相続・売買・贈与など、不動産を取得した原因ごとに申請書の様式や必要書類が異なります。
登記は不動産の権利関係を公示するという重要な制度なので、申請内容に一部でも不備があった場合は申請が通らず、自身で訂正しなければなりません。
法務局で登記の相談をすることは可能ですが、相談時間は限られ、個々の事案に応じた具体的な内容までは助言を受けられないため、基本的には自身で情報を収集する必要があります。
また、必要書類の取得や登記の申請は基本的に役所が担当するため、平日に動くことが多くなり、時間を取るのが困難な場合もあります。そのため、スムーズに名義変更をしたい場合は、司法書士に依頼することをお勧めします。
不動産の名義変更にかかる費用
不動産の名義変更をする場合、いくつかの費用が発生します。
書類を取得するのに必要な費用
不動産の名義変更では各種証明書の提出が必要で、その中に、戸籍や印鑑証明書など公的機関から取得するものは取得費用がかかります。
特に相続登記の場合は、戸籍や住民票など取得に費用がかかるものが多いです。
以下は相続登記を申請する際に必要な書類とその取得費用です。また、これらの書類を郵送で取得する場合は、合わせて郵送料がかかります。
書類名 | 1通当たりの手数料 | 備考 |
戸籍謄本 | 450円 |
|
除籍謄本 | 750円 |
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被相続人の改製原戸籍 | 750円 |
|
戸籍の附票の写し | 300円 |
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住民票 | 300~400円 | 自治体により異なる |
印鑑証明書 | 200~400円 | 自治体により異なる |
固定資産税評価証明書 | 200~400円 | 自治体により異なる |
名義変更時に必要な税金
登記を申請すると、申請者に「登録免許税」という税金が課税されます。
登録免許税の額は「不動産の評価額 × 税率」で求められ、税率は不動産を取得した原因によって異なります。
相続登記の場合の税率は0.4%なので、仮に、1000万円の土地について相続登記をする場合は次のようになります。
1000万円 × 0.4% = 4万円
司法書士に依頼した場合の報酬
不動産の名義変更手続きを司法書士に依頼した場合が、司法書士への報酬が発生します。
報酬は司法書士事務所により異なりますが、相続登記の場合は、1件当たり6万円~10万円が相場です。
不動産を名義変更はどこですればいい?
不動産の名義変更は、不動産を管轄する法務局で行いますが、手続きの手段は窓口、郵送、オンラインの3つがあります。
法務局で手続きをする
①窓口
名義変更する不動産を管轄する法務局に直接出向き、窓口で申請する方法です。
法務局に直接出向く必要はありますが、申請書に不備があってもその場で指摘してもらえ、申請書に押印したものと同じ印鑑があれば修正することが可能です。
②郵送
郵送により申請書・必要書類を法務局に送付して申請する方法です。
管轄の法務局が遠方であっても、郵送による申請が可能です。
郵送する際の封筒には「登記申請書在中」と明記する必要があります。また、重要な書類を多く封入することになるため、書留郵便や赤色のレターパックプラスなどを利用すべきでしょう。
ただし、登記申請書に不備がある場合、訂正に時間がかかるため、すぐに登記したい場合には不向きな方法です。
③オンライン
インターネット上で申請する方法です。
登記はオンラインでも申請が可能です。オンラインであれば自分に都合のいいタイミングで窓口に出向くことなく申請が可能であるため、環境が整っているのであればオンライン申請がおすすめです。
登記・供託オンライン申請システムを利用した手続き
https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/
マイナンバーカードを利用した手続き
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/fudosan_online03.html
司法書士に依頼する
司法書士に依頼した場合は、必要書類の収集から登記の申請まですべて代行してもらえます。
名義変更の手続きをスムーズに進めたい、期限までに確実に済ませたいような場合は司法書士に依頼すると良いでしょう。
不動産の名義変更でよくある質問
Q:名義変更に期限はある?
2023年現在は名義変更の義務・期限はありません。
ただし、相続登記に限っては、令和6(2024)年4月1日以降、相続があったことを知ってから3年以内に相続登記を行う必要があります。
この期限は2024年4月1日以降に相続が発生した場合はもちろん、この日より前に発生した相続も対象となります (2024年4月1日より前に相続が発生している場合は、同日から3年以内の登記が必要)。
Q:名義変更をしないとどうなる?
権利関係が複雑になる、不動産の処分が困難になるなどのデメリットがあります。
不動産の名義変更をしないまま不動産の所有者が何度も代わってしまうと、だれが本当の所有者か分からなくなり、いざ名義変更をしようと思っても過去の経緯が不明で手続きが困難になります。
不動産の名義変更をしておかないと、登記上は不動産の所有者ではないため、自己の名義で不動産を売却することが難しくなります。
また、前述の相続登記の3年の期限ですが、正当な理由なく登記を怠ると10万円以下の過料に処されることになります。
Q:名義変更の一部の手続きのみを自分ですることもできる?
必要書類の収集や申請書の作成など、一部の手続きだけを司法書士に依頼することは可能です。
手続きの一部だけの依頼であれば、司法書士への報酬を節約できます。
どの部分の手続きを依頼できるかは、司法書士事務所によって異なるため、正式な依頼をする前に確認すると良いでしょう。
まとめ
以上が不動産の名義変更の簡単な説明です。
相続登記については2024年4月1日以降に義務となりますが、これまで説明した通り、慣れていない方にとっては手続きを進めるのは大変です。
不動産の名義変更でお悩みの点があれば。一度司法書士にご相談ください。
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