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【相続登記とは?】かんたんガイド! 放置リスクや手続方法と流れ、費用まで総まとめ

2024.02.01 相続登記(名義変更)

この記事を監修したのは、

代表 池村 英士

所属 司法書士法人みどり法務事務所 東京司法書士会 会員番号 第9216号 認定番号 第1001075号 資格 司法書士

土地や家を相続する場合、相続登記が初めてでよく分からず、「相続登記とは何なのか?」「相続登記は必ずしなければいけないのか?」と、戸惑うことがあります。

相続が起きるとさまざまな手続きが必要になりますが、不動産を相続する人にとって相続登記は欠かせない手続きのひとつです。相続登記が重要な理由や方法を理解して、手続きをスムーズに終えるようにしましょう。

この記事では、相続登記の手続きの流れやかかる費用について解説し、相続登記をしないとどうなるのか、未登記で生じるデメリットや司法書士に依頼するメリットを紹介します。

相続登記とは「相続した不動産の名義変更」の手続き

相続登記とは、相続した不動産の名義を「亡くなった人」から「不動産を相続した人」に変更する手続きです。

不動産が誰のものなのか、名義は法務局が管理する登記簿に登録されているので、不動産の所有者が変わるときには名義変更の手続きである登記(相続を原因とする所有権移転登記)をする必要があります。土地や建物の所有者が変わって名義変更が必要になるケースは、売買・贈与・離婚による財産分与など他にもいくつかありますが、相続によって所有者が変わるケースもそのひとつです。相続が起きると、亡くなった人(被相続人)から相続する人(相続人)に所有者が変わるので、法務局で登記をして名義を相続人に変えることになります。

相続人が1人しかいない場合や、不動産を誰が相続するのか遺言書で決まっている場合は、すでに決められている不動産を相続する人の名義に変更します。

相続人が2人以上いて遺言書が残されていない場合は、
全相続人の法定相続分通りの共有持分で法定相続人全員の名義に変更をする。
遺産分割協議によって決めた不動産を相続する人の名義に変更する。
のどちらかの方法によって相続登記をすることになります。

法定相続分や法定相続人について詳しく知りたい方は、【法定相続人にあたる人は誰?それぞれの相続分は?】の記事で詳しく解説しておりますので、こちらも是非ご参照下さい。

相続登記をしないとどうなる?放置した場合のリスクとは?

家族が亡くなって相続が起きると何かと忙しくなり、相続手続きを後回しにしてしまう人がいますが、相続登記をしないこと面倒な問題が起きる可能性があるので注意が必要です。相続登記をしないとどうなるのか、期限はあるのか、相続登記について正しく理解した上で、早めに手続きを終えるようにしましょう。

2024年4月以降は相続登記が義務化

2024年3月末までは相続登記に期限はなかったので、それまではいつまでも相続登記をせず放置してもペナルティを科されることはありませんでした。

しかし、2024年4月以降は相続登記が義務化されて、不動産を相続したことを知った日から3年以内の相続登記が義務付けられました。3年以内に相続登記をしないと10万円以下のペナルティを科される可能性があります。

2024年4月より前に相続した不動産についても相続登記の義務化の対象なので、相続登記をせず放置しているとペナルティの対象になります。未登記のままになっている場合は、ペナルティを科されないように早めに相続登記をするようにしてください。

相続登記の義務化について詳しく知りたい方は、【法務局の[相続登記の義務化]が分かる!2024年4月以降の罰則や対策をかんたん解説!】の記事で詳しく解説しておりますので、こちらも是非ご参照下さい。

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相続登記をしないことによるリスク

相続登記が義務であるかどうかとは別の問題として、そもそも相続登記をしないままだと、不動産の所有者として自分が登録されていない状態になってしまいます。その結果、以下で紹介するようなリスクが生じる可能性があります。

 

1.不動産を売却できない

相続した不動産を売りたいと思っても、自分の名義になっていなければ売ることはできません。

もし、相続した不動産が亡くなった人(被相続人)の名義のままであれば売却手続きはできないので、相続登記をして被相続人から相続人に名義変更をする必要があります。

被相続人から相続人に名義変更することなく、被相続人から買主に直接名義変更することはできないので、不動産を売却するなら相続人本人に名義を変更しなければいけません。不動産の売却にはタイミングも重要です。相続登記を終わらせるのに数か月以上の時間がかかることもありますので、その間にせっかく見つかった不動産の買い手が離れてしまう可能性もあります。なので、相続した不動産の売却を検討されている方は、なるべく早めに相続登記の手続きに入ることをおすすめします。

 

2.不動産を担保にして融資を受けることができない

不動産を担保にして金融機関から融資を受ける場合、自分の名義ではない不動産に勝手に抵当権を設定することはできません。担保にするためには、登記簿上の不動産の所有者が自分になっている必要があります。

相続登記をしないと不動産の名義が被相続人のままで担保にできないので、融資を受ける場合には不動産の名義を自分に変更するための相続登記が必要です。
実際に当事務所で相続登記のご依頼をいただいた方でも、銀行から不動産担保の融資を受けるにあたって、銀行の担当者から「相続登記をしないと融資が通りません・・・」と言われたのがきっかけという方も少なくありません。

 

3.他の相続人の債権者によって不動産を差し押さえられる

相続登記をせず不動産が被相続人の名義のままになっている場合、他の相続人の中に借金をしている人がいると、その相続人にお金を貸している銀行などの債権者が不動産を差し押さえることがあります。

相続人が2人以上いる場合には、相続開始後に不動産は全相続人の共有状態になり、他の相続人の債権者であっても代位登記によって相続登記をすることが可能であり、そのうえでの差し押さえが可能です。差し押さえを防ぐためには、相続登記をして自分の名義に変更しておく必要があります。

 

4.権利関係が複雑になって相続手続きに時間がかかる

相続登記をしない間に相続人が亡くなって次の相続が起きてしまうと、不動産の相続に関係する人の数が増えて権利関係が複雑になり、相続手続きに時間がかかる場合があります。また、相続人の高齢化により意思能力が低下してしまうと遺産分割協義ができなくなり、不動産の名義変更ができなくなってしまう場合もあります。

より多くの人が関わることになると遺産分割協議の合意も難しくなり、相続登記で全員の書類を集めるために時間や手間がかかることになるので、相続登記はできる限り早く終えておくことが大切です。

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相続登記の手続きの流れ

相続登記の手続きの流れ

相続登記をする場合には必要書類を揃えて、登記申請書とともに法務局に提出して登記申請を行うことになります。以下では、相続登記の手続きの流れを紹介します。

1.登記事項証明書を取得する

登記申請書を作成する際、土地であれば所在地・地番・地目など、建物であれば所在地・家屋番号・種類・構造などを記入することになります。相続する不動産に関するこれらの情報は登記簿謄本(登記事項証明書)を見れば確認できるので、まずは法務局で登記簿謄本を取得します。

登記簿謄本の取得方法は、窓口申請・郵送申請・オンライン申請の3つです。

窓口で申請する場合は、法務局に備え付けられている「登記事項証明書交付請求書」に土地・建物の所在地や地番等を記入して申請します。

土地の相続登記であれば地番が必要になり、建物の相続登記であれば家屋番号が必要になるので、あらかじめ、固定資産税の納税通知書・課税明細書か市区町村役場で取得できる固定資産評価証明書で地番や家屋番号を確認しておきましょう。

登記簿謄本(登記事項証明書)について詳しく知りたい方は、【不動産登記簿謄本はどんなもの?登記事項証明書との違いや取得方法を解説】の記事で詳しく解説しておりますので、こちらも是非ご参照下さい。

2.戸籍謄本や住民票など必要書類を集める

相続登記の必要書類は「遺言に基づいて相続する場合」「遺産分割協議に基づいて相続する場合」「法定相続分で相続する場合」で異なります。それぞれのケースで必要になる書類は、以下のとおりです。

 

必要書類

遺言書に基づいて相続する場合

・固定資産評価証明書

・遺言書

・被相続人の死亡時の戸籍謄本、住民票の除票

・不動産を相続する人の戸籍謄本、住民票

遺産分割協議に基づいて相続する場合

・固定資産評価証明書

・遺産分割協議書

・被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、住民票の除票

・すべての相続人の戸籍謄本、印鑑証明書

・不動産を相続する相続人の住民票

法定相続分で相続する場合

・固定資産評価証明書

・被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、住民票の除票

・すべての相続人の戸籍謄本、住民票

遺言・遺産分割協議・法定相続のいずれのケースでも、不動産に関する書類として固定資産評価証明書が必要になり、被相続人の戸籍謄本・住民票の除票、不動産を相続する人の戸籍謄本・住民票が必要になります。これらの書類は、市区町村役場で取得できます。

遺産分割協議に基づいて相続する場合は、相続する人以外の相続人の戸籍謄本や、印鑑証明書も手続きで必要になる点に注意してください。遺産分割協議をして誰が土地や家を相続するか決まっても、非協力的な人がいて必要書類を渡してもらえないと相続登記を進められないことがあるので、相続登記で必要になる戸籍謄本や印鑑証明書は遺産分割協議書を作成する際に渡してもらうことをおすすめします。

また、遺産分割協議に基づいて相続する場合と法定相続分で相続する場合は、そもそも誰が相続人なのか、相続関係を法務局が確認する必要があるので、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を揃えて提出しなければいけません。なお、当事務所で相続登記の必要書類についてご相談をいただく際にも、勘違いが多いポイントとしては相続登記には原則権利証は不要!ということです。権利証を紛失してしまった場合でも相続登記はできますのでご安心ください。

相続登記の必要書類についてさらに詳しく知りたい方は、【法務局の[相続登記の必要書類一覧]をかんたん解説!】の記事で詳しく解説しておりますので、こちらも是非ご参照下さい。

死亡時点の戸籍謄本から遡って、出生時点の戸籍謄本まですべて揃える必要があり、自分でやろうとすると手間や時間がかかる場合があります。自分でやる手間をかけたくない場合には、司法書士などの専門家に相続登記を依頼するようにしてください。

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3.登記申請書を作成する

登記申請書の用紙は、法務局のサイトからダウンロードできます。掲載されている記入例を確認しながら、申請書に記入していきましょう。遺産分割や遺言などケース別に、用紙のひな型や記入例が掲載されています。

出典:法務局「不動産登記の申請書様式について

「課税価格」には、固定資産評価証明書に記載されている固定資産評価額の千円未満を切り捨てた金額を記入します。

「登録免許税」の税額は、土地の価格に税率0.4%をかけて求めた金額です。「不動産の表示」には、登記簿謄本(登記事項証明書)に記載されている内容を記入します。

4.管轄の法務局に書類を提出する

相続登記は、登記対象となる不動産がある地域の法務局で行います。法務局は全国にありますが、どこの法務局でも相続登記の手続きができるわけではありません。

司法書士ではない一般の方が自分で手続きをする場合、通常は窓口で申請するか郵送で申請することになります。管轄の法務局がどこなのか分からない場合は、以下のサイトで検索が可能です。

法務局:管轄のご案内

また、登記申請をする際には、登録免許税を納付することになります。現金納付の場合は、金融機関で納付書に記入して納付すると領収書が交付されるので、受け取った領収書を登記申請時に法務局で提出するようにしてください。収入印紙で納付する場合は、金融機関や法務局内の売り場で収入印紙を購入して納付します。

5.登記識別情報・登記完了証を受け取る

法務局に書類を提出して登記申請を行うと、書類の不備などが無く受理されれば1~2週間ほどで登記が完了します。登記識別情報・登記完了証を受け取れば、相続登記は完了です。

これらの書類は、登記が完了したタイミングで改めて法務局に出向いて受け取ることになりますが、郵送で受け取る旨を登記申請時に記載すれば、郵送してもらうこともできます。登記識別情報・登記完了証は再発行できないので、受け取ったら紛失しないように大切に保管してください。

相続登記を自分でやる場合にかかる費用

相続登記でかかる主な費用は「登録免許税」と「必要書類の取得費用」の2つです。以下では、登録免許税の計算方法や各必要書類の取得にかかる費用について紹介します。

登録免許税

登録免許税とは、登記をする際に納める税金です。相続登記の際にも登録免許税がかかります。税率は登記をする理由によって異なり、相続登記の場合は0.4%です。

・登録免許税の税額 = 固定資産評価額 × 税率

(固定資産評価額は1,000円未満切り捨て、登録免許税は100円未満切り捨て)

例えば、2,500万円の土地を相続する場合、相続登記の際にかかる登録免許税は「2,500万円×0.4%」で10万円です。固定資産評価額は、固定資産税の納税通知書や課税明細書、固定資産評価証明書などで確認できます。

また、相続登記の登録免許税は免税になるケースが2つあります。
①相続による土地を取得した人が相続登記をせずに死亡したケース
②固定資産評価額が100万円以下のケース
これらの場合には登録免許税は免税になります。免税のケースについて詳しく知りたい方は【相続登記の登録免許税が免税になるケースは?手続き方法や期限は?】の記事をご参照下さい。

必要書類の取得費用

遺言・遺産分割協議・法定相続の各ケースにおける相続登記で必要になる書類について先ほど紹介しましたが、必要書類を取得する際に以下の費用がかかります。

・相続人の戸籍謄本:1通450円

・被相続人の改製原戸籍:1通750円

・被相続人の住民票除票:1通300~400円程度(自治体による)

・相続人の住民票:1通300~400円程度(自治体による)

・相続人の印鑑証明書:1通200~400円程度(自治体による)

・固定資産評価証明書:1通200~400円程度(自治体による)

また、法務局に提出する書類ではありませんが、相続登記をするためには登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する必要があり、取得費用として1通480~600円かかります(交付手数料は、窓口や郵送など受取方法によって変わります)。

被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を揃える場合には、取得する書類の数が増えて費用がかさむことがあり、合計で数千円程度かかる場合があります。

司法書士に任せる場合の費用相場とメリット

今後の大相続時代を見据えて相続サービスを展開する事業者が増えてきております。それに伴って相続相談を受けている窓口も増えてきております、しかし相続登記を代行できるのは司法書士と弁護士のみです。行政書士や税理士、その他銀行や葬儀社、○○相続相談センターなどの機関では相続登記の代行をすることはできませんのでご注意ください。本人の目的としては相続登記のみ依頼したかっただけなのにも関わらず、相談窓口を間違えてしまったがために相続登記以外の過剰な相続サービスを依頼してしまい高額な手数料を払ってしまったというケースもあります。

また、弁護士は相続に関する訴訟などについては専門家といえますが、相続登記についてはほとんどの弁護士が提携先の司法書士に依頼しているのが実情です。

したがって、やはり相続登記の専門家は司法書士であるといえます。

相続登記は自分でやることもできますが、相続登記の専門家である司法書士に依頼して手続きをすべて任せることもできます。以下では、司法書士に依頼するときの費用の相場と、司法書士に任せるメリットについて紹介します。

代行手数料の相場は1件あたり7~15万円

多くの司法書士事務所では、相続登記を行う物件の数、相続人の数、遺産分割協議書の作成業務によって報酬が変わりますが、1件あたりの相場は7~15万円ほどです。

また、この金額はあくまで相続登記の代行手数料としてかかる費用なので、戸籍謄本や固定資産評価証明書など必要書類の取得にかかる費用や、交通費などは別途実費で請求されます。

報酬の金額や体系は司法書士事務所ごとに異なるので、どのぐらいの費用でどこまで対応してくれるのか、実際に司法書士に依頼するときには費用をよく確認するようにしてください。

司法書士に任せれば手間を省けてミスなくスムーズに手続きを終えられる

相続登記に慣れていない方が自分でやろうとすると、必要書類の取得や遺産分割協議書や登記申請書の作成や添付書類について自分で調べなければならず、間違いがあって時間がかかったりすることがありますが、相続登記の専門家である司法書士に手続きを任せれば余計な手間がかかる心配はありません。自分で手続きをする手間が省けて、ミスなくスムーズに終えられます。

また、必要書類の取得や法務局への書類提出を自分でやる場合は役所が開いている平日の日中に行く必要があり、平日が仕事の人は仕事を休まなければいけません。しかし、司法書士に任せれば仕事を休まずに済みます。

案件によっては手続き内容が複雑で専門家でないと対応が難しい場合があるので、そのような場合には相続登記を丸ごと司法書士に依頼されることをおすすめします。

相続をスマートに!面倒な相続登記は安心定額「スマそう-相続登記-」にお任せください!

 

まとめ

土地や家を相続するときには、名義変更の手続きである相続登記を行って不動産の名義を亡くなった人から不動産を相続した人の名義に変更する必要があります。

2024年4月1日以降は相続登記が義務化となり、放置しておくと最大10万円のペナルティを受けるおそれがあります。また、未登記のままだと他の相続人の債権者によって差し押さえられたり、次の相続が起きて権利関係が複雑になり手続きが面倒になったりすることがあるので、相続登記の義務化の前後に関わらず相続登記はすぐに手続きを終えることが大切です。

相続登記は一般の方が自分でやることもできますが、慣れていない方が自分でやろうとすると途中でミスをして時間や手間がかかることも少なくありません。ご家族が亡くなると葬儀や他の相続手続きなどで何かと忙しくなるので、少しでも負担を軽くするために相続登記は司法書士に依頼することを検討してみてください。

司法書士法人みどり法務事務所では相続でお悩みの皆様に、安心でリーズナブルな相続を済ませて頂くために、定額の不動産の名義変更サービス「スマそう-相続登記-」をはじめとする遺産相続に関する各種サービス(ゆうちょ・みずほ・三井住友・三菱UFJ、りそななどの各金融機関の相続にともなう預貯金の解約払戻し、その他相続に関する裁判所提出書類作成サポートなど)をおこなっています。また、電話や来所での相続相談は無料で承っております。相続に関してお悩みの方はまずはお気軽にお電話ください。

 

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